院試対策公式まとめ(微分積分-数列・極限編)
用語
三角不等式
収束の定義
このとき、
Cauchy列
を満たす数列上限,下限
数の集合Aについて上界の中で最小のものを上限といい、sup Aと書く。下界の中で最大のものを下限といい、inf Aと書く。
実数の連続性の公理
実数全体の集合において、上に有界な任意の部分集合Aをとったとき、Aの上限sup Aがの中に存在する。
交代級数
として、
の形で表される級数
絶対収束
条件収束
ある級数が、絶対収束はしないが、収束すること。
各点収束
関数列を考える。が区間[a,b]の全ての点でf(x)に収束するとき、つまり、
が成り立つとき、関数列は区間[a,b]で各点収束するという。
一様収束
任意のに対して、xに無関係にεだけで決まる番号Nが存在して、n>Nとなるすべてのnについて となるとき、関数列はf(x)に一様収束するという。
関数級数
べき級数
の形で表される級数のこと。
収束半径
がx = cで収束するようなcの値の集合を考えその上限をRとしたとき、Rをべき級数の収束半径という。|x| < R となるxに対しては絶対収束する。
収束半径Rのべき級数 は以下の性質を持つ。
1) |x| > R のとき、発散.
2) |x| < Rでは、絶対収束。また0<Rの時、0<ρ<Rとなるρについて|x|≤ρで一様収束.
3) R=0のとき、x=0の場合のみ収束.
4) R=∞のとき、すべてのxに対して収束.
なお、|x| = Rに関しては不定
収束半径は、で与えられる。
定理
定理1 (有界単調列の収束)
実数の列{}が単調に増加し、かつ上に有界であるならば、{}はある実数に収束する。
定理2 アルキメデスの原理
任意の正の実数a,bに対して、na > bとなる自然数nが存在する。
定理3 区間縮小法
2つの数列{}と{}が、
を満たし、が成り立つなら、
となる1つの実数aが存在する。
定理4 ボルツァノ-ワイエルシュトラスの定理
有界な数列{}は収束する部分列をもつ。
定理5 が収束すれば、
1)
2)
3)
定理6
1) deg p は多項式pの次数を表すとする。
deg p > deg q ならば2)
3)
4)
定理7
が単調減少して0に収束していれば、交代級数は収束する。
またこの級数を第n項で切ったときの部分和の誤差は、 で抑えられる。定理10 はさみうちの原理
= 、
かつ大きなnに対してが成り立つとき、
が成り立つ。定理8 Cauchyの判定条件
定理9 コーシーの定理
数列{}が収束するための必要十分条件は、{}がコーシー列になることである。
定理10 級数に関するコーシーの定理
が成立することである。
定理11
定理12
2つの正項級数,に対して、 (Kは正の定数) が成り立つとき、が収束すれば、は収束する。また、が発散すればも発散する。
定理13
2つの正項級数,に対して、
となる正定数Kが存在するとき、が収束(発散)すればも収束(発散)する。
定理14 ダランベールの判定法
正項級数において、
のとき、r<1ならは収束し、r>1ならは発散する。
定理15 コーシーの判定法
正項級数において、
のとき、r<1ならは収束し、r>1ならは発散する。
定理16
区間[a,b]における連続関数列が関数f(x)に一様収束するとき、
1) f(x)は連続関数となる。
2) 極限と積分は交換できる。つまり、
定理17
区間[a,b]における連続関数列が関数f(x)に各点収束し、さらにが連続でg(x)に一様収束するとき、が成り立つ。
定理18
区間[a,b]における連続関数列ががS(x)に一様収束するとき、
1) S(x)は連続関数となる。
2)定理19
区間[a,b]においてがS(x)に各点収束し、の各項が連続で,T(x)に一様収束するとき、S(x)は微分可能であり、S'(x) = T(x)が成り立つ。
定理20 ワイエルシュトラスの優級数判定法
区間[a,b]における関数列が,区間内のすべてのxに対して、